眼が疲れる・視力が落ちた

「夕方になると見えにくくなる」「なんとなく目が重たい・しょぼしょぼする」など、日常の中で感じる“目の疲れ”や“見えづらさ”には、いくつかの原因が考えられます。
主な原因
- 眼精疲労
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長時間のスマホ・パソコン作業、細かい作業や読書などにより、目の筋肉(毛様体筋)が疲れてしまう状態です。
眼痛、かすみ、羞明(まぶしさ)、頭痛、肩こり、吐き気などの全身症状を伴うこともあります。原因は老眼、度数の合わない眼鏡を使用していることが多いです。
白内障、緑内障などによっても眼精疲労が生じる可能性もあり注意が必要です。近年仕事のデジタル化やSNSの普及によってVDT作業(PC、タブレット端末を使用した近くを長時間見る作業のこと)が増えたことも原因の一つになっています。
その他、心因性、全身疾患によるものなど眼精疲労の原因は多岐にわたっています。 - ドライアイ
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涙の量や質が低下し、目の表面が乾燥することで、目の違和感、充血、目の疲れ、不快感を生じたりします。
涙の役割は目を潤すだけではなく、目に入ってくる細菌・花粉・異物を涙で防御することもあります。そのためドライアイによって感染症やアレルギーなどの炎症が起きやすくなってしまいます。
質のいい涙がコーティングされないと、目の表面に小さい傷ができ違和感を生じるだけでなく流涙の原因にもなります。治療は主に点眼ですが、点眼にも様々な種類があり適した点眼を選択しないと症状が改善しないこともあります。
点眼でも改善しない程のドライアイの場合は、涙が眼表面に貯留されるように涙点(目頭の上下にある涙の排出経路の入り口)を涙点プラグで塞ぐ治療を行うこともあります。 - 老視(老眼)
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40歳頃から、目のピント調節機能が衰え、近くが見えにくくなる状態です。
原因は、眼の中の組織である水晶体(カメラでいうレンズの役割)が加齢によって硬くなることです。遠くのものや近くのものにピントを合わせる際に、水晶体を吊り下げている毛様体小帯という線維が緩んだり緊張したりすることで水晶体の厚みが増減して、ピントを合わせることができます。
しかし年齢とともに水晶体は硬くなり、厚さを変えることができなくなってきます。そのため、近くのものにピントを合わせることができなくなることで老眼が生じます。「最近、スマホを少し離して見るようになった」という方は、老視の始まりかもしれません。
考えられる病気・状態
- 白内障
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白内障とは、水晶体(カメラでいうレンズ)が濁ってしまう状態のことです。
白内障があるとまっすぐ眼の中に入る光が、濁りによって散乱するため、かすんだり、二重三重にぶれて見えたり、対向車のライトがまぶしく感じるなどの症状が現れます。進行すると視力が低下し、物が見えにくくなります。全ての人が年齢の変化や体の環境の変化でなるものです。個人差はありますが、一般的には60歳を過ぎた頃から少しずつ水晶体が濁り始め、70代以降の方ではその大半に白内障がみられます。早い人では40歳代、50歳代から白内障が現れることもあります。原因はさまざまありますが、最も多いのが加齢によるものです。
加齢以外の原因には、糖尿病、アトピー性皮膚炎などの全身疾患による合併症、ステロイドの長期使用などによる薬剤性、生まれつき水晶体に濁りがある先天性、けがや衝撃による外傷性などが挙げられます。
治療は、初期段階は点眼薬で進行を遅らせますが、生活に支障が出るようになれば、濁った水晶体を人工のレンズと入れ替える手術をすることが一般的です。
当院は日帰りで行いますが、入院を希望される方は、病院を紹介いたします。 - 近視・遠視・乱視
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加齢とともに屈折異常が増加しやすく、特に遠視や近視が進行することがあります。
これにより、遠くの物や近くの物が見えにくくなることがあります。屈折の変化に気づかずに無理に見ようとすることで、目が疲れやすくなります。白内障が原因になっていることが多いため、定期受診が必要になります。
こんなときはご相談を
- 最近、目の疲れが取れない
- 夕方になると視界がぼやける
- ピントが合いにくい、焦点がずれる感じがする
- 新しいメガネ・コンタクトでも違和感がある
一時的な疲れに見えても、目の病気や視力変化のサインかもしれません。
気になることがあれば、早めにご相談ください。視力検査や適切な診察を通じて、目の状態をしっかり確認いたします。