近視抑制治療

近視とは眼に入る光が網膜の手前で結像する状態のことを言います。
裸眼の場合、近くは見えますが、遠くは焦点が合わずぼやけるため眼鏡やコンタクトが必要になります。
近視の多くは、眼球自体の長さ(眼軸長)が前後に伸びていることに起因しています。
これは主に小児期に進行し、近視が進むと元に戻すことはできません。また近視は軽度であっても、将来緑内障や網膜剥離などの目の病気にかかるリスクを高めることが分かっています。そのため、近視の進行を抑制するためには眼軸の伸びを抑えることが重要です。
アトロピン点眼は以前より、眼科での瞳孔を広げる検査に用いられてきた目薬です。低濃度アトロピン点眼は、近視が進行しそうな学童期のお子様が適応となります。1日1回寝る前に点眼します。低濃度アトロピン療法はアトロピンを超低濃度にして点眼するため、瞳孔を広げる作用を回避しつつ、近視の進行スピードを抑えます。 まれに翌日まで瞳孔が広がる方もいらっしゃいますが、点眼をやめれば元に戻ります。
本治療は軸性近視の進行抑制を目的とするものであって、近視が全く進行しないというわけではありません。
効果の判定には、白内障手術前に実施される眼軸長計測装置、屈折測定装置を用い計測します。この測定結果から、点眼作用による軸性近視の抑制効果が確認できれば、この治療を継続することになります。
抑制効果が現れるのは点眼を使用している期間だけで、中止するとその効果は失われてしまいます。
途中でお薬をやめることによるリバウンドが生じることも報告されているため、個人差はありますが成長期が終了するまで継続する必要があります。
また、万一副作用が発現した場合には、速やかに点眼を中止していただく必要があります。
当院では低濃度アトロピン点眼(リジュセアミニ)による近視抑制治療を行っております。詳しくは担当医へご相談ください。
自由(保険外)診療となります